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 読み方

伊邪那美神(いざなみのかみ)

異称

伊邪那美命(いざなみのみこと)
伊弉冉尊(いざなみのみこと)
黄泉津大神(よもつおおかみ)

神格 
万物を生み出す生成力
死をつかさどる神
大地の母神

名前の意味

伊邪」は誘うこと、「」は女性のことです。男性を交合に誘う女性を意味しています。
夫である伊邪那岐神と共に、日本の国土(大八嶋国)や自然物を象徴する神々を生み出したことから、大地母神的な性格を強く持っています。
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死の起源を作った

火の神である火之迦具土神を出産の出産により神避って(亡くなって)しまった伊邪那美神ですが、彼女の死は日本史上初の死亡例であり、現世と死後の世界をわける要因となりました。


伊邪那美神の死後、伊邪那岐神が死者の世界である黄泉の国(よみのくに)を訪れます
そして、伊邪那岐神が伊邪那美神に「一緒に現世へ帰ろう」と提案しますが、伊邪那美神は既に黄泉の国の食べ物を食べてしまい、死者の国の者になってしまっていました。
これを「黄泉戸喫(よもつへぐい)」といい、あの世の食物を口にした者はこの世に戻ることができないという観念が古代にはあったようです。
伊邪那美神は黄泉の国から現生に帰還するため黄泉の国を支配する神と話し合うことにしましたが、その際、夫の伊邪那岐神に「部屋の中を見ないでください」という約束をしますが、破られて醜くなった本当の姿を見られてしまいます
その姿は、古事記にて以下のように書かれています。
蛆(ウジ)が集まってコロコロしていて、頭には大きな雷、胸には火の雷、腹には黒い雷、女陰には裂けた雷、左の手には若い雷、右の手には土の雷、左の足には鳴いている雷、右の足には伏している雷、合わせて八種類様々な雷が身体から出現していたのである。
雷というのは巨大な音と光で当時の人々の恐怖の対象でそれを纏った伊邪那美神は死の恐怖を表されています。
そんな姿を見られた伊邪那美神は怒り狂い、逃げた伊邪那岐神を追います。
しかし、あと少しのところで伊邪那岐神によって黄泉の国と現生を大岩で閉じられてしまい、そこで別れを告げられてしまいます。

日本史上初の離婚

伊邪那岐神によって黄泉の国と現生を区切られた場所を「黄泉比良坂(よもつひらさか)」と言いますが、そこで伊邪那美神は伊邪那岐神によって別れを告げられます。
その際の以下のような問答があります。
伊邪那美神「愛しいあなたが離婚なさるのなら、わたしはあなたの国の人間を一日に千人絞め殺してしましょう。」
伊邪那岐神「愛しいわたしの妻よ。おまえがそんなことをするのなら、わたしは一日に千五百人の子を生ませよう。」
こうしてこの世では一日に必ず、千人が死に千五百人が生まれるようになったと言われています。

その後

黄泉比良坂で伊邪那岐神に別れを告げられた伊邪那美神は名前を黄泉津大神と改め、黄泉の国の支配者へとなりました。
また、黄泉比良坂にて伊邪那岐神へ追いついたことから「道敷の大神(ちしきのおおかみ)」ともよばれるようになりました。

神徳

延命長寿
縁結び
事業成功

主な神社

筑波山神社(茨城県つくば市)
神魂神社(島根県松江市)
佐太神社(島根県松江市)

まとめ
・その名前は「いざなう」の語源である
・死の概念を作るきっかけになった
・日本史上初のバツイチ
・夫婦喧嘩によって一日に必ず千人が死に千五百人が生まれるようになった
・最終的に死後の世界の支配者

わたし個人としては、醜くなったからと言って離婚はちょっと酷いかなと思います。

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