筆者
筆者紹介
1912-2008
ニューヨーク生まれ
9歳でシカゴへ移住、以後シカゴを中心に活躍。シカゴ大学ロー・スクールを卒業後、いくつもの職業を経て、ラジオのパーソナリティ、テレビのニュースキャスターとして活躍。
様々なジャンルや階層の人々へのインタビューから多くの名著を生み出しました。
このインタビューから情報を得る手法はオーラルヒストリーと呼ばれるもので、民俗学においてもよく用いられる手法です。
タイトル
大恐慌!
テーマ
タイトルの通り大恐慌についてです。
大恐慌とは、1930年代にアメリカを皮切りに世界的に広まった経済恐慌のことです。
本書では、その経済恐慌を生き抜いたローズヴェルト政権の中枢部から失業者、役者、犯罪者にいたるまで132人の様々な年齢・階級の人々からインタビューを行い、当時の状況を様々な角度から見ていきました。
そこから導き出される大恐慌の真実は必見です。
そして、あの「つらい時代(ハード・タイムズ)」を生き抜いた人々を知り、われわれは今の不況をどう生き抜けばいいのか新しい視点が開けるはずです。
見どころ
貧困による人々の生活と心の変化です。
大恐慌では、数多くの人が登場します。
ドイツから帰還した兵士
等々、本当に千差万別でそこから教科書ではたった数行でしか説明されない歴史の真実を知ることができます。
総評
現在の日本も決して景気がいいとは言えません。
そんな中私たちはどのように生きていけばよいのか。このつらい時代をどのように乗り越えていくべきか。本書はその指針を示してくれる現代に生きる私たちの教科書と言っても過言ではありません。
ぜひともご拝読ください。
大恐慌では、数多くの人が登場します。
ドイツから帰還した兵士
浮浪者へとなったものもの兵隊たちが路頭に迷っていた。民主主義のためにドイツで戦ってきた連中だ。彼らは、今すぐこの場で軍人恩給(ボーナス)をもらってしかるべきだと思っていた。お金が必要だったからさ。ウォーターズ、たしかそんな名前の男が一計を案じた。こうして元兵士たちは、ワシントンまで行けば、つまり1898年にコクシー率いる浮浪者(ホーボー)たちがやったような旅をすれば、政府に約束を果たしてもらえるという。第1部『ボーナス行進』ジム・シェリダンより
彼は気の毒でした。殺されて川に投げられちゃったんだ。誰かが彼から15ドルか20ドル奪おうとしてね。あそこではたかが15セントのために、人がたがいに盗みあい、殺しもあったものです。大恐慌の中でも苦しんでいた他者のために自分の財産を与えていたもの第1部『ハード・トラヴェリン』ルイス・バンクスより
物乞いはたくさんいました。勝手口にやって来て、お腹が空いているって。お金はあげませんでしたよ、なかったからね。でも、彼らを迎え入れて、キッチンに通して、食べものをあげたわ。第1部『ハード・トラヴェリン』キティ・マカロックより
当時子どもで親の失業で生活が変わったもの
突然引っ越さなけくてはならなくなったのを覚えているわ。父が失業してダブルガレージに移り住んだの。今まで差別を受けていたが、大恐慌で自分が自由を獲得するまで戦うことを決心したもの第1部『神の祝福は子らに』ダイナマイト・ガーランドより
それまでは、黒人というのはひどい扱いを受けて、白人のやることはなんでも受け入れるものだと思っていたんです。黒人に、ほかのみんなと同じように自由を享受する権利があるなんて、考えたこともありませんでした。詐欺や強盗で生活していたもの第1部『労働者階級の少年ボニー』E・D・ニクソンより
あの時代の多くの警官は泥棒だった。合法的な泥棒だ。産業別組織化と資本主義の打倒を目的とした労働者同盟である「世界産業労働者同盟」のメンバーとして活動していたもの第2部『ぜいたくな生活』ドク・グレアムより
俺が子供の頃、組合の主語は「われわれ」で、「われわれ」が一団となって何をするかだった。今は組合を「われわれ」では語らない。ほとんどの場合、組合は「組織」とか「彼ら」とかだ。当時学生で学校以外でも様々なことを学んだもの第3部『共産主義とカトリック教会』フレッド・トンプソンより
必要以上に着飾った学生はいただけない。自分ができなかったからというわけではなく、社会の動きに無頓着なのがいやなのだ。大恐慌の中でも富を得たもの第3部『キャンパスライフ』ポーリーン・ケールより
不平不満なんかないよ。見つからないものを追いかけたってだめだよ。先のことなんてわかりゃしないし。いまは何にでもきっちりシバリが入ってる。わかるだろ?大恐慌のころからだな。だからおれが探しているものなんか、どこにもないんだ。変な言いかただが、わかるかい?それでも泣き言はこぼさない。ぜったいにね。だっていままでが良かったから。神さまはおれに親切だった。味方だったよ。会社を経営していたもの第4部『ただの通過点』ビリー・グリーンより
どうして賃金をもっと上げなかったかって?当時はそれがふつうだったんです。第5部『奮闘と成功』A・A・フレーザーより
等々、本当に千差万別でそこから教科書ではたった数行でしか説明されない歴史の真実を知ることができます。
総評
現在の日本も決して景気がいいとは言えません。
そんな中私たちはどのように生きていけばよいのか。このつらい時代をどのように乗り越えていくべきか。本書はその指針を示してくれる現代に生きる私たちの教科書と言っても過言ではありません。
ぜひともご拝読ください。
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